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2019/10/31
チョコが犬にとってダメな理由
まず結論から言うと、犬はチョコレートを食べると中毒症状を起こす恐れがあります。
しかし、すべてのチョコレートが犬にとって危険というわけでもありません。
まずはじめに、何故犬がチョコレートを食べて中毒を起こすのか?
その理由は、チョコレートの原材料カカオに含まれる、カフェインやテオブロミンなどの化学物質を犬が摂取すると、嘔吐や下痢をはじめとする中毒症状を起こすからです。
テオブロミンは人間には問題ありませんが、犬の体はテオブロミンを分解、排出する能力が低いため、嘔吐や下痢をくり返し、毒素を体外に排出しようとするのです。
テオブロミンとは?
テオブロミンとは、チョコレートやココア、コーラなどに含まれるアルカロイドの1種です。
カフェインと同等の働きがあり、利尿作用、覚醒作用、緊張緩和、血管拡張作用、中枢神経への刺激などの効果があります。
私達人間はチョコレートに含まれている程度のテオブロミンなら体内でうまく分解することができます。
テオブロミンが多く含まれているチョコレートとは?
犬がチョコレートを食べたからといって、必ず中毒症状を起こすわけではありません。
チョコレートの中でも、テオブロミンが多く含まれているチョコレートほど中毒症状の危険性が高まります。
テオブロミンは、苦味が強いチョコレートほど多く含まれています。
特に大人が食べるような本格的なチョコレートに多く含まれている特徴があります。
カカオの量が多ければ、それだけテオブロミンが多く含まれています。
犬の体質や健康状態によっては、少量を口にしただけでも中毒症状が起きる場合もあるでしょう。
チョコレート全般を犬に食べさせないよう気をつけるというよりは、カカオの含有量が多い食品ほど犬に近づけさせないよう気をつけた方がいいということになります。
それに対して、ミルクチョコレートやホワイトチョコレートはカカオの含有量が圧倒的に少ないため、犬がたとえ口にしてしまっても問題にならない場合が多いと言われています。
ただし、こればかりは犬の体質や健康状態にもよります。もしも口にして様子に異変を感じたら、必ずかかりつけの動物病院へ連絡して獣医師の指示を仰ぐようにして下さい。
また、ココアにはブラックチョコレートに劣らないほどデオブロミンが含まれています。飲み物だけでなく、さまざまなお菓子やパンなどにもパウダー状のものが使われているので、注意してください。
犬がチョコレートで中毒症状が出てしまう量や致死量は?
一般的には、チョコレートを一口食べただけでは中毒にならないと言わています。
何故なら、少量であればテオブロミンが自然に排出されるからです。
しかし、その「少量」ってどのくらいなのかよく分かりませんよね。
そこでまずは、チョコレート各種に含まれるおおよそのテオブロミン量を見てみましょう。
ホワイトチョコレート:100gあたり3.7mg
ミルクチョコレート:100gあたり215mg
ダークチョコレート:100gあたり504mg
ホワイトチョコレートとダークチョコレートでは、テオブロミン量が圧倒的に違うことが分かりますね。
そして犬にとってどのくらいのテオブロミンを摂取すると危険なのかというと…
チョコレートによる中毒症状は
体重1kgあたり90〜100mg
チョコレートによる致死量は
体重1kgあたり100~200mg
と一般的には言われています。
これはあくまでも目安量ですが、犬がミルクチョコレートとダークチョコレートをペロッと食べたら、非常に危険であることがよく分かるかと思います。
犬がチョコレートを食べた際の中毒症状は?
では、もし犬がチョコレートを食べたりしてしまった場合、下痢や嘔吐に代表される症状以外にどんな中毒症状が現れるのでしょうか?
以下に主な中毒症状を挙げてあります。
- 嘔吐
- 下痢
- 痙攣・てんかん発作
- 興奮
- 頻尿
- 尿失禁
- 脱水症状
- 発熱
- あえぎ
- 呼吸困難
- 不整脈 など
症状の出方には個体差があり、必ずしもここに記された症状が出るとは限りません。
中には元気な犬も実際にいますから、あくまでも報告されている症状として参考にして下さい。
とは言え、テオブロミンそのものが大脳を刺激する作用を持つため、軽い興奮状態に陥る犬は多いようです。
初期症状である嘔吐や下痢を見せる犬も多いとの報告があります。
そして症状が悪化すると、呼吸困難や痙攣、さらには心拍数の低下なども見られるようになります。
最悪死に至ることもあるため、十分に注意しなければなりません。
犬がチョコレートを食べてしまった時の対処法は?
犬はテオブロミンを分解する能力が非常に低く、完全に分解できるまでに24時間も必要ですので、摂取してから24時間以内が一番危険な時間なのです。
チョコをなめてしまったとわかれば、一刻も早く動物病院に行くことが重要です。
どんなチョコレートをどれだけ食べたかチェック
犬がチョコレートを食べたり舐めてしまったりした場合は、どんな種類のチョコを食べたのかチョコのパッケージや食べかけのチョコそのものを持って動物病院に行きましょう。
動物病院でチョコレートを吐かせる
動物病院では、催吐処置といって胃の中に残っている物を吐かせる処置を行うのが一般的です。
チョコレートに含まれるテオブロミンを分解する解毒剤は存在しませんので、体の中に入ってしまったテオブロミンを物理的に口から外へ出す「吐く」という行為を行わせます。
また、催吐処置がうまくいかなかった場合は、胃の内容物を洗い流す胃洗浄を行います。
血液検査や点滴も同時に行い、普段とは違う興奮状態に陥った犬の体を休ませるような薬や補液も行います。
下痢や嘔吐、その他の症状が出た場合は、対処療法で乗り切ります。
家で無理に対処しようとしない
食べたものを吐かせればいいのかと、動物病院へ行かずにお家で吐かせようとする飼い主様がいらっしゃいますが、決して行わないでください。
お家で飼い主があれこれと処置をするのはプロが行わない限り犬にとって負担になりますし、家で吐くか吐かないかを繰り返している時間が、結果的に犬の体の中に毒素が回ってしまう時間になってしまうこともあります。一刻も早く動物病院へと行きましょう。
少量の場合でも動物病院で検査が◎
チョコレートをなめた量が少しだからと言って安心することも禁物です。様子を見ればいいかと思っている時間も、犬にとっては命の危険にさらされる時間になるかもしれません。
下痢や嘔吐などの症状が出ていないかを確認しながら、まずは動物病院に行って容態を診てもらいましょう。
外見からでは重症化しているかどうか判断できない場合は血液検査などをして、愛犬の体調に問題が無いかチェックできます。
よく「塩水で吐かせる」といった方法を推薦しているサイトもありますが、塩を大量に飲み込むことによる塩中毒の恐れがあるため危険が伴いおすすめできません。
最後に
犬にとってチョコレートは危険といった情報だけ聞くと、すべてのチョコレートが犬にとって危険なんだと誰もが思ってしまうかもしれません。
しかし、きちんと詳しく調べてみると、チョコレートの種類によってはさほど危険性はないということが分かります。
だからと言って、犬にチョコレートを与えていいという事ではありません。
犬にとってメリットは何1つないので、いくらヨダレを垂らしていても与えない気持ちを持つことが大事です。
あとは、犬が誤って食べてしまわないよう置き場所などには十分注意しましょう。
大切な家族である愛犬を守れるのは飼い主様です。
少しでも安全なものを与える事でペットも、そして飼い主様も安心して笑顔で過ごせるのではないでしょうか